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左官の仕事~ 海鼠壁

投稿日:04.05.2015|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

全国各地には色々な左官工法があります。

日本列島は細長く、地方によって気象条件が違うので、その土地独自に考え抜かれた左官仕上げも少なくありません。

全国各地で独自の工法がある左官仕上げですが、その一方で全国各地で  黒と白のコントラストが美しい外壁・左官仕上げ  を見かける事ができます。

その左官仕上げこそ、    海鼠壁 なのですよ。


修善寺(静岡県伊豆)で見かけた海鼠壁


海鼠壁と書いて 《 ナマコカベ 》 と読みます。

漆喰の盛り上がった部分が海鼠(なまこ)のように見えるからその名前が付いたのでしょう。

名称は全国共通みたいで、私はそれ以外の名称を聞いた事がありません。


この仕上げの発祥地は何処なのか分かりませんが、全国各地で見られる左官仕上げです。

平瓦を貼り付け、目地部分に  漆喰で半円状に盛り付けるのが基本形  ですね。

台風の通り道である土佐(高知県)、強風が常に吹き荒れる松崎(静岡県)に数多くの海鼠壁を見かける事を考えれば、その  耐久性 や 耐風雨 は抜群  であり、この工法が全国各地に広まったのも頷けます。

近代建築に移行するまで、当時は  究極の外壁仕上げ  だったことでしょう。


海鼠の漆喰部分には面白い形状の物(星形、三角)も多数存在します。

そのデザイン性は美しく、左官職人の粋が感じられますよね。



現在でも寿司屋や和風料理の店舗で施工される事もあるらしいのですが、簡略化を図った工法(海鼠壁に似せたタイル、モルタルで形を作った上にペンキ)で施工されているケースが大変多く、このような物を見かける度に日本人として情けなく思います。

海鼠壁  は機能面だけでなく、日本が誇る美しき建築文化なのですから・・・


機能性とデザインを併せ持った   【 海鼠壁 】 が見直される日が来るように、私達左官屋も本物の良さを伝えて行かねばなりませんね。

私も地元である 愛知県一宮市はもちろんのこと、各所でドンドン提案していきたいです。