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左官の仕事~ 版築

投稿日:12.05.2014|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

月から地球を眺めると建築物をひとつだけ見つけることができます。

それは中国にある  《 万里の長城 》   なのですよ。


この建築物の長さは6千㎞とも8千㎞とも言われており、様々な説が飛び交っているようですね。

万里の長城は秦の始皇帝が中華統一を成し遂げた後、異民族からの防衛の為に建てられたのが始まりだそうです。

その後、明の代まで長い年月を掛けて現存する万里の長城が作られました。

明の代では石とレンガで築かれておりましたが、それ以前は   両側に板を立てて、その上から土を詰め込み、杵などで突き固める工法   で作られていたそうです。


この工法こそ、 【 版築 】  の元祖なのですよ。


(株)オオタで施工した薪ストーブ周りの版築




版築の硬化メカニズムは西洋の水硬性石灰に近いものがあります。

土だけだと強度が弱いので、  石灰や苦汁などを混入してポゾラン反応を起こさせ、強度を格段にアップさせる  ようです。

日本でも外部で使われる事もありますが、その配合比は難しく職人の経験に左右されるので、手っ取り早く  セメントを混入する 人もいると聞きます。

これが 「 本物の版築か? 」 と賛否両論もありますが、そこは施主や設計士に判断してもらうのが良いかもしれませんね。


版築は施工法が単純な為、世界中で見る事ができ、日本でも土塀などはこの工法で施工されている事が多いです。

近年でも愛知県常滑市にあるINAX・ライブミュージアムの 《 土・どろんこ館 》 が外壁に施工されました。

そのスケールはとてつもなく凄いですよ。


INAX・ライブミュージアム 《 土・どろんこ館 》  で見かけた巨大な版築の壁





ここ最近は、 層によって色土を変える多色の版築が主流  となってきました。

好みによって色を変えられるので、一般受けが良いようですね。

私自身は  単色の版築のほうが、派手さはないけど土の素朴な美しさがある   ので好きなのですが・・・

これは好みなので、施主や設計士次第でありますね。



本物の版築ではありませんが、版築風の仕上げとしてここ最近、人気なのが、

《 地層仕上げ 》  と   《 塗り版築 》  です。




こちらも色々な施工法がありますが、版築のように地層をイメージさせる仕上げです。

ただし、本物の風合いには及びません。

本物が施工できる条件ならば、なるべく本物の版築をお勧めしますよ。


版築は私自身もまだまだ施工経験が少ないですが、もっと仕事に繋げていきたい仕上げのひとつであります。

愛知県一宮市のほうでも、ドンドン提案していきたいです。