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左官の仕事~ 土佐漆喰

投稿日:05.10.2014|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

日本各地で漆喰工法は微妙に違いますが、台風の影響を受け続けてきた土佐では漆喰も独特の進化を遂げていきました。
土佐独自の漆喰を 海鼠壁 や 鎧壁 といった工法と組み合わせる事によって、耐久性がさらに上がり雨風に非常に強い外壁となります。
そんな雨風に非常に強い漆喰 【 土佐漆喰 】 は今や、全国各地で塗られているとってもスペシャルな漆喰なのですよ!


台風にも負けない漆喰を作る為に先人達が考えたのは、硬化途中で雨水が掛かった時に雨水に溶けやすい海藻糊を使うのではなく、藁を発酵すると滲出される糖類の一種・ 《 リグニン 》 という成分を海藻糊の代わりに使う事でした。
この リグニン が消石灰と反応して、土佐漆喰独特の色合い(ベージュ)となります。
ベージュの色合いが良いからと言って土佐漆喰を選んでも、この色合いは紫外線と反応して段々と薄くなり、 約10年掛けて白くなる ので気を付けてくださいね。

とは言っても、普通の漆喰のような目映い真っ白ではなく、目に優しい白となります。
ちなみに日の当たる場所と当たらない場所では色の抜け方も変わるので、同じ建物でも南面と北面では色の抜け方が違うといったケースもあるみたいです。
その辺りも説明しておいたほうが良いかもしれませんね。

土佐漆喰の歴史は以外と新しく、幕末から明治にかけて完成した漆喰と伝えられております。
そもそも土佐漆喰とは 3ヶ月以上発酵させた稲ワラと消石灰を合わせ、水で混練し、1ヶ月以上熟成させた漆喰 なのですよ。
一般的な漆喰、本漆喰との大きな違いは、発酵した藁から溶け出した成分(リグニン)が糊の代わりに保水をしてくれるので海藻糊を入れる必要がありません。
そして、高知県で古くから採取されてきた “ 土佐灰 ” という 《 塩焼き消石灰 》 を使います。

《 塩焼き消石灰 》 とは、 コークスか石炭に塩を加えて人力で手間暇掛けて焼いた作った消石灰の事 です。
粒子が不均一なので漆喰を作るには最適だと言われております。
ちなみに工業製品である 《 油焼き消石灰 》は重油を炊いて大量生産されたモノで、粒子が均一すぎて漆喰を作るには向かないようですね。

現場で塗られている “ 既調合漆喰 ” や “ 炊き糊漆喰 ” にどんな消石灰が使われているか、左官屋さんから聞いてみるのも面白いかもしれません。

話がズレましたが、 《 土佐灰(塩焼き消石灰) + 発酵した藁 》 を混ぜて熟成させたモノが 【 土佐漆喰 】 という事です。

自分で作る事も不可能ではないのですが、材料の制作に数ヶ月も費やすのはなかなか難しく、土佐漆喰を専門に作る職人に分けていただく事のほうが圧倒的に多みたいですね。
実際、自己調合で土佐漆喰を作られている左官屋さんの噂はなかなか耳にしません。
土佐漆喰を作ってくれる職人に自分の要望を出し、独自の配合で制作してもらうほうが現実的なのでしょう。

製品自体は必ず練られた状態なので、 「 粉体の土佐漆喰というモノは存在しない 」  と言う事も覚えておいてください。
土佐漆喰と袋に記載されている粉体の漆喰(既調合品)なんて不届きな製品まであるので・・・

まぁ、土佐灰(土佐の消石灰) を使った漆喰という意味では、あながち間違いではないのかもしれませんが、紛らわしいですよね。

土佐漆喰でも色々な工法があり、 《 二分押さえ 》 、 《 硬押さえ 》 、 《 磨き 》 の他に 《 半田仕上げ 》 などが一般的でしょうか。
特に 土佐漆喰の 《 磨き 》 は、本漆喰(炊き糊漆喰)よりもピカピカの鏡面となり表面強度が非常にあります。






強くてたくましい 【 土佐漆喰 】 は現在、とても注目されている塗り壁のひとつであり、もっともっと世間一般に浸透すれば良いですね。

愛知県一宮市のほうでもドンドン提案していきたいです。