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大人の名古屋

投稿日:10.09.2016|カテゴリー:Blog, NEWS|コメント・トラックバック:0件

雑誌  『 大人の名古屋 』 で左官をテーマに載せていただきました。


土壁を塗っている姿が見開きで2ページにまたがる大きな写真を載せていただき、大変恐縮しております。

また、とても素敵な文章と多くの写真を載せていただき、土壁や漆喰、そして左官の良さが多くの人達に知ってもらえるキッカケとなれば嬉しいですね。

これからも愛知県一宮市を拠点として、名古屋市や岐阜県など東海地区を中心に活動していきますので、宜しくお願い致します。









石灰とセメントの違い

投稿日:03.14.2016|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

左官屋さんにもなじみの深い 『 消石灰 』 と 『 セメント 』 ですが、どちらも  石灰岩  から作られます。

しかし、知ってるようで意外と知らない2つの材料について調べてみました。

もし間違っているようでしたら、遠慮無くご指摘ください。





【消石灰】  は、石灰岩を焼成させて生石灰を作り、生石灰に水を反応させると出来上がります。

少ない水を振りかければ粉の消石灰(日本漆喰の原料)、プールなどの大量の水の中に生石灰を放り込めば石灰クリーム(西洋漆喰の原料)となります。

性質は気硬性、つまり空気(二酸化炭素)に反応して固まります。



【セメント(ポルトランドセメント)】  は石灰石、粘土や頁岩(けつがん)またはアルミナやシリカ等と混ぜて作られます。

これらを高温焼成した後、空気で急冷するとセメントクリンカと呼ばれる1cm程度の火山岩のような黒い塊になります。

この黒い塊(セメントクリンカ)をさらに粉砕し、石膏を加えることでセメントの完成。

およその配合比率は、石灰60%、シリカ19%、アルミナ8%、鉄分5%、マグネシア5%、三酸化イオウ3%の割合。

性質は水硬性、つまり水に反応して固まります。



制作に必要な材料を要約すると、消石灰は石灰岩のみ、セメントは石灰岩を含む複数の材料から作られるのですよ。

焼成温度も消石灰は700~1200度ぐらいと地方によってまちまちなのに対して、セメントは1450度以上の高温です。

あと、左官材料としての性質も気硬性(消石灰)と水硬性(セメント)に分かれますね。



ちなみに水に反応して固まる石灰、 【 水硬性石灰 】  なるモノも存在します。

水硬性石灰も原料の石灰岩に粘土質が含まれることでポゾラン質を発揮する『 天然水硬性石灰 』 、消石灰を製造後に火山灰などのポゾラン質を添加して水和物を生成する 『 人工水硬性石灰 』  の二種類があります。

大昔のヨーロッパを含む地中海沿岸の国々では 『 天然水硬性石灰 』 が多く用いられ、 エジプトのピラミッドもこの技法を用いて作られた説もあるぐらいです。

しかし現在では、一般に出回っている水硬性石灰のほとんどが 『 人工水硬性石灰 』   の技法で製造されております。



私も色々と調べてみて、改めて勉強になりました。

これからも左官について貪欲にいきますので、今後とも宜しくお願い致します。

m(__)m








左官の仕事~ 炉壇

投稿日:09.01.2015|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

昔ながらの茶室には畳の下に 【 炉壇 】 という小さな囲炉裏が設置されております。

茶道を行う時には畳を退かして、 【 炉壇 】 に炭を入れてお湯を沸かしますが、この炉壇も色々な材質で作られているのをご存じでしょうか?

銅板であったり、石製であったり、陶板製であったりと多種多様でありますが、最近はお手入れが楽なステンレス製なども人気のようですね。

そんな中、 本炉壇 と呼ばれる炉壇の中でも  最高級品  のモノには 内側に土壁が塗られております。


写真は数年前に金沢で催された左官講習会の様子です。

構造見本も展示されていて、とても勉強になりました。




最高級品である本炉壇の制作にも左官職人、もしくはそこから派生した専門職の “ 炉壇師 ” と呼ばれる職人が携わります。 また、  毎年一回炉開きのときには土壁の部分を塗り替えることになっている決まりもある  ようなので、この塗り替えにも左官職人か炉壇師が携わるようですね。

本炉壇を使わない最近の茶道では、その風習を知らない人も多いと聞きます。

茶道の世界も道具などの近代化と共に、古来から受け継がれてきた作法が忘れられつつあるのは寂しい話ですよね。


現在、茶道の世界も安直な方法が往来しておりますが、いつか古来の由緒ある茶道を受け継ぎ、伝統を守る茶道家が増えてきたら、土で仕上げられた本炉壇も見直される日が来るかもしれません。

その時に  「 誰も土壇(本炉壇)の施工法が分からない!」  なんて事になっては困りますね。


私達左官職人も日々精進して行かねば・・・


愛知県の一宮市や名古屋でこのような依頼をされても困らぬよう、勉強していきたいと思っております。










左官の仕事~ 竈

投稿日:07.04.2015|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

現在、竈でご飯を炊くこと家はなかなか無いと思いますが、昔は何処の家庭にも欠かせない存在であったと聞きました。

歴史はかなり古く、竪穴式住居に造リ付けされたものが弥生時代(約1,700年前)の遺跡 から見つかっているそうです。

竈は土で作られ、 その製作には左官職人、もしくは左官職人から派生した専門職が携わりました。

こんな場所でも左官職人は活躍していたのですよ。




伊勢で見かけた赤福本店の竈



伊勢で見かけた醤油屋の竈



伊勢で見かけた番茶屋の竈



やがて電気調理器の普及と共に竈は長い歴史に幕を閉じかけましたが、ここ最近になって竈が見直されております。

電気炊飯器で炊くご飯よりも  「竈で炊くご飯は美味しい」  と良く耳にしますが、それは竈のほうが圧倒的に火力も強く、高熱で一気に炊くことが美味しさの秘訣らしいですよ。


技術的な話になるのですが、竈は曲面や細かい部分が多いので、かなり手間が掛かると聞きました。竈の構造体は   三和土のように叩き締めるやり方 、   竹木舞を編んで荒壁を付けるやり方 、   日干しレンガを使うやり方 があるようです。 あと、 ピザ窯などは  耐火レンガ で作られることが多い  と聞きます。 仕上げ面も磨き壁で施工されていることが多く、その美しさと実用性を兼ねた竈がもっと注目されていけば良いですね。





私が試作した卓上竃(漆喰黒磨き)


卓上竃から網焼きにチェンジできます。(漆喰黒磨き)



私も小さい卓上竃しか施工経験がないので、いつか大型の竈制作に挑戦してみたいと思います。

完成した暁には皆さんと一緒に竈で炊いたご飯を食べたいですね。

竈の制作も一宮市や名古屋市を含めた愛知県全域と岐阜県美濃地方を中心に提案させていただきます。








左官の仕事~ 擬木、擬石、モルタル造形

投稿日:06.30.2015|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

左官の技術を駆使して、モルタル用いて木や石などを本物に似せる仕上げがあります。

とても 高度な技術 と センス が必要なのですよ。

何はともあれ、 【 擬木 】  や  【 擬石 】  は鏝を駆使して制作する左官仕事です。



【擬木】 とは、着色モルタルを用いて木に似せて作られた造形物。

以外と歴史は古く、明治の時代にフランスから伝わったとのことです。

擬板もコレの応用で作られる。



【擬石】 とは、擬木と同じく着色モルタルで作られた石に似せた造形物のこと。

擬岩、擬土なども基本的にはコレの応用で作られる。



この擬木や擬石を含め、モルタルで限りなく本物に見せる為の工法が  【モルタル造形】 ですね。

某ネズミーランドでは、膨大な面積がモルタル造形で仕上げられておりますので、遊びに行かれる機会があればじっくり見てみるのも良いかもしれません。


実は私も 【モルタル造形】 を勉強させていただいたことがあります。

ただし、自己満足で完結してしまって仕事に結びついておりません。

恥ずかしながら私が試験施工をさせていただいた見本板をUPさせてもらいますね。



愛知県一宮付近でもこの工法が盛り上がっていけるように提案していきたいです。








メタルな塗り壁

投稿日:05.31.2015|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

東京で凄い建材の講習会に参加して、衝撃を受けております。

これは金属を塗る。
まさしく言葉通りの材料です。
決して金属風ではない。
仕上がりは金属そのもの。



塗り壁材料なので、左官職人のセンスや技術を駆使して、色んなパターン付けを出来るのが最大の特徴です。
壁だけじゃなく、指輪やフィギア等の細かいモノに塗れるのもGood!
間違いなく、これから左官工事の幅は大きく広がることでしょう。

塗り圧は1㎜以下なので、会社のロゴやマークなどを下地の段階で作ったり、下地の木の木目を残したまま施工しても面白いかもしれません。
しかも大抵のモノにくっつくので、下地を選ばずに塗れる夢の建材。
もちろん、写真以上に実物は素晴らしくてインパクトも抜群なのですよ。

とりあえず、五種類の金属で色んな模様の塗り見本を作り、一宮市や名古屋市を含めた愛知県全域と岐阜県美濃地方を中心に提案させていただきますので、近隣の皆さんは期待していてください。
また、近隣じゃなくても条件さえ合えば施工は可能なので、お気軽に声を掛けてくださいね。








左官の仕事~ 鏝絵

投稿日:05.13.2015|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

鏝を使って絵画を描く工法があります。

それは左官の技術を芸術にまで高めた技法と言えるでしょう。


土蔵の戸前部分に漆喰でレリーフが施されているのを見たことがないでしょうか?

これは  土蔵の仕事をした左官職人が、仕事をさせていただいたお礼に感謝を込めて作っていた  そうです。

漆喰に鏝を使って描くこの技法は繊細で美しく、見る人を魅了するモノも少なくありません。

このレリーフ状に描かれたようなモノこそ、  【 鏝絵 】  であります。



写真は新潟県のサフラン酒造です。

他にも静岡県には、左官の神様と呼ばれる伊豆の長八こと、 《 入江 長八 》 は鏝絵の名工として有名ですよね。

彼の作品は静岡県松崎町に今も数多く残っており、彼の功績を称えて建てられた 《 長八美術館 》  などでも見ることが出来ます。

その素晴らしさは見るもの全てを魅了しますよ。

私も若い頃に行ったっきりなので、今度はじっくり見たいと思っております。


静岡県松崎町では、漆喰を使った鏝絵のコンクールも開催しているようです。

入賞作品は長八美術館で展示される  みたいですよ。

もし、 「 我こそは・・・ 」  と思われたら、参加してみるのも面白いかもしれませんね。

このような活動が 【 鏝絵 】 、そして  漆喰 の地位向上に繋がっていくと思いますので、どんどん盛り上がっていけば良いですね。


私の兄弟子にも趣味で鏝絵を制作している人がおります。

これは従来のレリーフ状で作られた鏝絵とは一線を画する存在感があるのですが、ご自身で研究して自己流で技法を確立されたそうです。

この限りなくリアルに近い作品は、 鏝絵を越えた漆喰芸術 であると言っても過言ではないでしょう。

多くの人達に見てもらいたいので写真をUPしますね。





W氏から  「 お前になら教えてやるから、また高山に戻って来い! 」  と誘っていただいておりますが、なかなか赴くことが出来ておりません。いつか、私自身が本当の意味でやる気になった時、門を叩いてみようかと思っております。

モノになるか自信がありませんが・・・


何はともあれ、 【 鏝絵 】 という芸術が多くの人達の目に留まれば、漆喰や左官も見直されるかもしれませんね。








左官の仕事~ 海鼠壁

投稿日:04.05.2015|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

全国各地には色々な左官工法があります。

日本列島は細長く、地方によって気象条件が違うので、その土地独自に考え抜かれた左官仕上げも少なくありません。

全国各地で独自の工法がある左官仕上げですが、その一方で全国各地で  黒と白のコントラストが美しい外壁・左官仕上げ  を見かける事ができます。

その左官仕上げこそ、    海鼠壁 なのですよ。


修善寺(静岡県伊豆)で見かけた海鼠壁


海鼠壁と書いて 《 ナマコカベ 》 と読みます。

漆喰の盛り上がった部分が海鼠(なまこ)のように見えるからその名前が付いたのでしょう。

名称は全国共通みたいで、私はそれ以外の名称を聞いた事がありません。


この仕上げの発祥地は何処なのか分かりませんが、全国各地で見られる左官仕上げです。

平瓦を貼り付け、目地部分に  漆喰で半円状に盛り付けるのが基本形  ですね。

台風の通り道である土佐(高知県)、強風が常に吹き荒れる松崎(静岡県)に数多くの海鼠壁を見かける事を考えれば、その  耐久性 や 耐風雨 は抜群  であり、この工法が全国各地に広まったのも頷けます。

近代建築に移行するまで、当時は  究極の外壁仕上げ  だったことでしょう。


海鼠の漆喰部分には面白い形状の物(星形、三角)も多数存在します。

そのデザイン性は美しく、左官職人の粋が感じられますよね。



現在でも寿司屋や和風料理の店舗で施工される事もあるらしいのですが、簡略化を図った工法(海鼠壁に似せたタイル、モルタルで形を作った上にペンキ)で施工されているケースが大変多く、このような物を見かける度に日本人として情けなく思います。

海鼠壁  は機能面だけでなく、日本が誇る美しき建築文化なのですから・・・


機能性とデザインを併せ持った   【 海鼠壁 】 が見直される日が来るように、私達左官屋も本物の良さを伝えて行かねばなりませんね。

私も地元である 愛知県一宮市はもちろんのこと、各所でドンドン提案していきたいです。









左官の仕事~ 石膏型抜き

投稿日:03.21.2015|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

ヨーロッパにある古い建築物は装飾が凄いですよね。

石で彫刻をされたモノも多いのですが、中には左官工法で仕上げられたモノもあるのですよ。

その左官工法のひとつが    【 石膏型抜き 】 です。


市政資料館の天井飾り(名古屋)




石膏型抜き とは、 型に石膏を流し込んで出来上がったモノ の事です。

これを壁や天井に張り付けて装飾するのですが、これは左官技法と言うよりは芸術の類と言えるでしょう。



ヨーロッパの建築物は内壁全てにド派手な装飾が施され、天井一面にはフレスコ画が描かれたモノなどを写真で良く見かけます。

これはこれでヨーロッパらしく素敵なのですが、日本人には 『 派手すぎず、さり気ない美しさ 』 のほうが合っているかもしれません。

日本で見られる洋館などは、どちらかというとシンプルで綺麗にまとめられている印象ですね。

なかには ド派手はモノもありますが・・・



私自身は施工経験がないのですが、経験者から聞いた話や文献で調べた情報を元に 【 石膏型抜き 】 の施工法を書き記します。




1.   油土(油粘土)で装飾物の原型を作る


2.   箱の中に油土で作った原型を入れる


3.   寒天(もしくはシリコン)を流し込む


4.   寒天が固まったら、油土で作った原型を取り出す


5.   細部を修正して母型の完成


6.   母型に石膏を流し込む


7.   石膏が硬化したら取り出す


8.   裏面に糊の濃い漆喰を塗り付け、壁や天井に張り付ける


9.   細かい部分を整形する




以上です。


カリスマ左官の久住章さんは  漆喰で型抜き  をされたことがあるそうです。

石膏よりも漆喰のほうが柔らかいので、 「  貼り付ける時に融通が利く  」 と仰っておりました。

全国的には石膏を使ったモノのほうが多そうですが・・・



何にせよ  【 石膏型抜き 】 は左官彫刻に欠かせない技術です。

《  漆喰蛇腹  》 と組み合わせると、とても素敵な空間を演出できると思いますよ。

愛知県一宮市のほうでも、ドンドン提案していきたいです。









左官の仕事~ 蛇腹引き

投稿日:03.01.2015|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

古い洋館の天井と壁の入隅には、帯状に巡らされた凸凹の装飾で仕上げられている事があります。

なかには何段もの複雑な凸凹の場合は左官仕上げで施工されている事も・・・

この凸凹で帯状の仕上げこそ、    【 蛇腹引き 】 なのですよ。


兵庫県にある孫文記念館で見かけた蛇腹






蛇腹引きは大きく分けて   《 現場引き工法 》 と    《 置き引き工法 》 の二種類の工法があります。



《 現場引き工法 》 とは、現場で材料を直に塗り付けてから型を引いて施工する工法です。

漆喰を使って現場で仕上げるモノは 『 漆喰 蛇腹 』 と呼ばれます。

洗い出し仕上げ や モルタル  などでも 現場引き工法 で蛇腹を仕上げる事もあります。



《 置き引き工法 》 とは、作業のしやすい平坦な場所で材料を置いて型を引き、それが硬化してから現場で取り付ける工法です。

石膏を使って施工されたモノは  『 石膏 置き引き 』  と呼ばれます。




私が修行先で働いていた頃、社長の息子は寮の隣にあった “ ほったて小屋 ” で蛇腹の研究をされておりました。

たまに置き引き工法を施工しているところを見せてもらっていたのですが、当時の私はこういった装飾系の左官仕上げにあまり興味がなかったので、いろいろと説明してくれた事も全く頭に入っておりません。

今更ではありますが、   「 あの時、もっと真剣に学んでおけば・・・ 」  と大変後悔しております。



左官屋が蛇腹を仕上げるメリットは    “ 継ぎ手が見えない ”   という事でしょう。

そして、  “ 応用力がある ”   ので細かい納め方にも気を配れます。

何より、 “ 好きな形状にデザイン ”   をして、それが現場で形となって反映されます。

既製品では決して出来ないことですね。

乾式工法(既製品)は  『 安くて早い 』  かもしれませんが、湿式工法(左官の蛇腹仕上げ)のようなこだわりが反映できません。

こだわりを求めるならば、湿式工法での施工をお勧めしますよ。


素晴らしき左官仕上げ・    【 蛇腹引き 】 がもっと見直されるようになれば良いですね。

愛知県一宮市のほうでも、ドンドン提案していきたいです。