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左官の仕事~ ムチ漆喰

投稿日:06.18.2014|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

【 ムチ漆喰 】 とは琉球漆喰、沖縄漆喰と呼ばれる沖縄で独自の発展を遂げた伝統的な漆喰の事です。




沖縄ではお祝いする日(正月、結婚式、出産など)に “ ムーチー ” と呼ばれる沖縄独特のお餅(月桃の葉に包んで蒸した餅)を近所に配ったり食べたりする習慣があります。
私の妻が沖縄出身なので、長女が生まれた時は沖縄の義母がムーチーを持参して駆けつけてくれました。

ムーチーの色は茶色味が掛かっており、本土の餅とは風味も全然違います。
ムチ漆喰は ムーチー に色や質感が大変似ている事からその名が付きました。
本土で言われている 「 色がお餅に似ている漆喰であり、モチがムチに訛って名前が付いた 」 という説には沖縄を愛する私としては真っ向から反論したい ですね。

大昔はムチ漆喰の原料として使われる消石灰を 《 珊瑚を燃やして作っていた 》 らしいのですが、現在の法律では 珊瑚を採ったり燃やしたりすると罰せられてしまいます。
その為、大昔の工法でムチ漆喰を作る事は不可能となりました。
沖縄でも石灰岩は採掘されております。
しかし、主にセメントとして加工されているらしく、ムチ漆喰の原材料としては加工されておりません。
現在では石灰は九州(大分県)で採れた石灰を送ってもらい、それを原料にムチ漆喰が作られているとの事です。

土佐漆喰と同じく、ムチ漆喰も海藻糊を混入せず、石灰に藁を混入して制作します。ふたつの違いは制作方法です。

土佐漆喰 = 消石灰 + 藁(発酵させたもの)

ムチ漆喰 = 生石灰 + 藁

つまり、藁を入れる材料が 《 消石灰 》 か 《 生石灰 》 の違いです。
その為、両方とも似たような色をしておりますが、少しだけムチ漆喰のほうが色は濃いのですよ。
これは土佐漆喰に入れる藁は発酵させたものを入れる為かもしれません。

ムチ漆喰は土佐漆喰と同じく、紫外線に反応して色が薄くなっていきます。
土佐漆喰のパクリと思われるかもしれませんが、実は ムチ漆喰のほうが歴史は古い のですよ。
ムチ漆喰は13~14世紀、土佐漆喰は17~18世紀なので、ムチ漆喰のほうが500年ぐらいは歴史が古い という事になりますね。

元々、ムチ漆喰は壁を塗る漆喰と言うより、 “ 屋根瓦の継ぎ手 ” や “ 魔除けのシーサー ” 等で用いられてきました。
私自身も 《 むら咲むら 》 という体験施設で ムチ漆喰 のシーサーを2体作った事があります。
沖縄の別荘を建てる際、屋根の上に乗せる大型シーサーを作るよう義父に言われましたが、諸事情で本職のプロにお願いしました。
ちなみに下の写真は沖縄の重要文化財である  《 中村家住宅 》  のシーサーです。
沖縄の赤瓦とムチ漆喰の組み合わせも素敵ですよね。




最近では、その優れた性能から壁にも塗られるようになり、沖縄の観光スポットである 《 アメリカンビレッジ 》 の敷地内でも大きな建物の外壁が ムチ漆喰 で仕上げられております。
その姿は大変美しく、沖縄独特の “ 赤瓦 ” とも非常にマッチした建物ですよ。
旅行で沖縄の アメリカンビレッジ に立ち寄った際には是非、 ムチ漆喰 の外壁も眺めて見てください。

きっと、感動されると思いますよ。






愛知県一宮市のほうにも 【 ムチ漆喰 】 の塗り壁が採用されるよう、私もいろいろ提案していきたいです。



ムチ砂漆喰パターン漆喰のサンプル


ムチ漆喰の上に沖縄赤土を塗り付け、鏝で磨いたサンプル








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